《めてみみ》踏ん張りどころ

2023/04/21 06:24 更新


 JTBによると、今年のゴールデンウィーク(GW)の1泊以上の国内旅行者の推計は22年比で53.1%増の2450万人。19年比でも2%増だ。一方、海外旅行(業務目的を含む)は20万人。22年比は300%増だが、19年比は78.5%減、18年比67.7%減で回復にはまだ遠い。

 円安や燃料高騰もあり「海外よりも国内で」ということだろう。国内・海外計の総旅行人数は22年比53.9%増、19年比1%減。長らく続いた行動制限の〝反動増〟もあるだろうが、余暇の王道である旅行需要は回復している。旅行に伴うファッション関連消費の増加も期待できそうだ。

 大手アパレルなどの22年度業績はほとんどが増収増益。値引きや販売・管理費の抑制など企業努力もあるが、何よりも行動制限の緩和が貢献した。23年度も購買客数の拡大を見込んで増収増益を予想している。

 気になるのは客単価の動き。GWの1人1回当たりの「国内旅行平均費用」は3万4800円。22年比0.9%増だが、19年比では3.1%減。物価高を考慮すれば抑制した予算に思える。ちなみに03年は3万8983円で、増減を繰り返しながら低下している。財布の中身は気になるが、将来のブランド価値を維持するためにも、コロナ禍前の悪癖(安易な値下げ)に戻らないよう踏ん張って欲しい。



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