徐々にマスクをしている人の数が減ってきた。着用するか否か、個人の判断に切り替わった3月13日からしばらくはしている人の方が多かったが、4月に入ると朝の混み合う時間帯の地下鉄でもしていない人が目立ってきた。
最近また増え始めた外国人観光客は、当然のように着用せずに旅を楽しんでいる人がもちろん多い。でもよく見ると国や人種を問わず、屋内ではマスクをしっかり着けた人も一定数いる。
日本への旅行をマスクありで楽しむ外国人の中には、感染防止のために着用が強く推奨された時期、着用を強いられることに反発して反マスク運動みたいなことも起こった国から来た人もおそらくいるはずだ。
地下鉄で隣り合わせたアメリカ人旅行者に道を聞かれた際、マスクをしている理由を尋ねてみた。母国に比べて破格の安さで食べられるラーメン目当てに来日したという青年は、カウンターで提供するラーメン店が多い日本では麺が提供されるまでマスクを着けて待つことが両隣に座る他の客への配慮になると、事前に調べて知ったのだと教えてくれた。
感染を恐れてではなく、無用なトラブルを避けるためらしい。遠い国の文化や慣習、マナーも今はネットで知ることができる。世界中に暮らす、同時代を生きる人同士が同じ感覚を共有する状況が当たり前になりつつある。
