三井不動産が6月8日、サステイナブル(持続可能な)ファッションがテーマの「木更津コンセプトストア」を千葉県木更津市にオープンする。取引先から仕入れた衣料品、雑貨の規格外品やデッドストックを割安に販売するほか、衣料品の資源循環に取り組む企業・団体の紹介などを行う。
SCディベロッパーがサステイナブルをテーマにした直営型店舗を開発したのは初めて。主導した佐野川靖商業施設本部本部長補佐は、「20年4~5月の緊急事態宣言下の休業期間中にテナントを回り、直面する課題や悩みを聞いた中で、余剰在庫の処理が大きなテーマとして挙がった。サステイナブルが重要となる中で、課題解決ができないかと考えたのが開発のきっかけ」という。
コロナ禍を契機に、これまでのビジネスを見つめ直し、新たな領域に挑戦する好事例だ。ディベロッパーがテナントの悩みを聞き、解決のために自ら業態を立ち上げた点に注目したい。SCビジネスにとって、ディベロッパーとテナントとの連携強化は必要不可欠であり、その「深掘り」がますます求められるようになったからだ。
ルミネがテナントの期間限定店出店支援サービスを始めるなど、他のディベロッパーも従来よりも踏み込んだテナント支援を始めている。新たな「共存共栄」に向けた前向きな動きと捉えたい。