インドの注目度が高まっている。国連の推計によるとインドの人口は4月末時点で14億2577万人に増え、中国を抜いて世界1位となったようだ。
世界を見ると中国とインドが14億人台と突出して多く、3位のアメリカが約3億3800万人。日本は第11位。低成長と言われながらも日本が世界3位の国内総生産を誇るのは人口の多さが背景にある。国内に大きな市場があれば、よほどのグローバル企業でない限りわざわざ国外に出ていく必要はなかった。だが、これからは違う。
長期の成長が期待できるインド市場を攻める動きが活発だ。アシックスは現地パートナーと組み、「アシックスストア」を20年度の58店から23年度で105店と倍増する勢い。帝人フロンティアは21年に現地法人を立ち上げ、GSIクレオスは新拠点を検討する。GSIクレオスの吉永直明社長は、「アジアなどの新興国の経済成長は日本が経験した経済成長とは異なる。経済成長に伴って汎用品から付加価値品に需要が移るのではなく、すでに付加価値品含めた多様なニーズが混在している。遅れてはならない」とインド向けを大きく伸ばす考えだ。
インド市場の開拓が簡単ではないことは周知の事実。しかし日本企業の立ち位置が変わってきた今、成長市場の拡大をただ見ているだけという判断はありえない。