東急不動産は東京・原宿の東急プラザ表参道原宿にショップ、カフェ、イベントスペース、シェアオフィスなどが一体化した新フロア「ローカル」を開設した。「従来のような物の売り買いではなく、体験、共感、共創を生む場」(東急不動産)を目指す。
商業施設に多様な機能が求められる中で、物販以外の様々な要素を取り入れ、体験価値を打ち出す施設が増えている。大半は衣料品を扱う店舗はほとんどなく、物販は雑貨や食が多い。しかし、ローカルでは生活雑貨やフラワー、レコード、アート作品など幅広い商品を扱いつつ、レディスのDtoC(メーカー直販)ブランドを中心に衣料品も充実している。
東急不動産の担当者によると、衣料品が多いのは「フロアの考えに共鳴する出店者を募った結果」。ローカルでは「幅広い出店者を集める」狙いで、出店契約形態を従来の賃貸借契約ではなく、月額会費制で、出店したいタイミングで什器費用をその都度払えば、出店できる「サブスク」方式にした。内装や什器は施設側が準備するため、出店者に初期投資の負担はない。商業施設の課題である高い出店のハードルが大幅に下がった。
ローカルで衣料品が多いのはハードルを下げれば、商業施設に出店できるブランドがまだまだあるためだ。今後の商業施設の柔軟な取り組みに期待したい。