《めてみみ》赤札と人出の関係

2023/08/16 06:24 更新


 夏休みに入り、街の人出がさらに増えてきた。百貨店やSCでは、子供の職業体験、お化け屋敷、多様なワークショップなど家族向けイベントが目白押し。普段は少ない子供の姿を百貨店でもよく見かける。盆休みは、台風次第でもあるが、帰省前に手土産を買い、家族や友人との外食や買い物でにぎわう帰省先も多そうだ。

 インバウンド(訪日外国人)も着実に増えている。日本政府観光局によると、6月推計値は20年2月以来の200万人を突破。1~6月累計は19年比では35.6%減ながら1000万人を超えた。米国など19年実績を上回る訪日客数の国もある。直行便の復便・増便が続き、さらに増えるだろう。

 人出が戻り始めた一方で、コロナ禍前と少し様相が異なるのが物販フロアの〝赤札〟の数。7月のセール立ち上がりから少なかったが、8月に入りさらに目立たない。最終消化のための割引率の拡大やタイムセールなどの呼び込みなどもほとんど見かけない。過剰在庫が解消され、プロパー消化率が向上した結果だろうか。

 最終在庫処分の場としてのセールは必要だが、セール一色の商戦が長期化するのは健全とは言えない。今夏の人出と赤札の関係からも、来店動機は赤札だけではないことが分かる。シーズンMDは、コロナ禍前とは違う考え方で組み立てるべきだろう。



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