百貨店の25年新入学向けランドセル商戦が始まった。商戦は年々、早期化し、4月下旬から5月の大型連休に最初のピークを迎える。受注ピークは同時期と祖父母に購入してもらう夏休みだが、ランドセル選びが年間通して繰り広げられ、商戦は過熱する。
少子化にもかかわらず市場は拡大し、平均価格が上昇している。原材料高騰の影響もあり、販売価格で最も多いのが6万円台で、5万~8万円が品揃えの中心となる。「6ポケット」(両親と両祖父母の経済ポケット)により1人の子供に充てられる予算が増えているのが背景だ。祖父母による購入で、帰省時に選ぶ家庭が増えた。
三越伊勢丹はパターンオーダーのオリジナルブランドに力を入れる。素材と色、仕様のほか、ネームプレート、刺繍などのオプションを選べる。高島屋はリボンやチャームなど自由にカスタマイズできるオリジナルモデルを揃えた。軽さ(機能)とおしゃれ(デザイン)を両立させる。重さ1キロ前後の軽量品も登場する。
色は男児が黒、女児が赤の一辺倒だったが、男児がネイビーやブルー、カーキ、女児がピンク、ボルドー、アイボリーなどと多様化している。各社ともに選び方に関して情報発信する。商品カタログだけでなく、SNSを通じたバイヤーによる解説や売り場の状況のライブ配信で「ラン活」を支援する。