子供のころ、親戚の家にあった「マジンガーZ」のおもちゃが欲しくてたまらなかった。結局買ってもらえなかったが、懐かしい思い出だ。当時はテレビアニメを見ることだけが唯一の楽しみだった。長らくアニメに夢中になることはなかったが、コロナ禍をきっかけに週に10作品以上のアニメを見るようになった。
ファッション業界でも人気アニメと協業したTシャツなどに行列ができたり、即完売したりと、新たな客層を取り込むには欠かせないコンテンツになっている。インバウンドへの期待も大きい。
ネクタイが本業の永島服飾は、アニメなどポップカルチャーにフォーカスしたTシャツ・雑貨ショップ「カルト」が順調に業績を伸ばしている。アニメといっても、今の若い世代に支持されている旬のアニメではなく、40~50代に懐かしい70~80年代の作品に特化したことが要因だ。
本業のネクタイが厳しくなる夏場のイベント販売として、Tシャツに着目したのがきっかけ。18年にスタートし、成長戦略を担うまでに育ってきた。今年の6月にはパリの合同展にも出展した。
アニメやキャラクターといった日本のコンテンツは世界でも高い競争力を持っており、レトロアニメファンも多いはず。こうしたコンテンツの力が、海外における日本のファッションのファンを増やすきっかけになるのかもしれない。