欧州メンズファッションウィークを終えて、25年春夏のトレンドが浮かび上がってきた。共通するのは、春夏らしい軽やかなスタイルだ。中でも、マリンイメージから引用したスタイルが充実している。海のモチーフをジャカードやプリントで取り入れ、マリンストライプの明るい配色を利かせる。
ウィメンズの傾向と同じように、スタンダードアイテムを進化させていくデザインも多い。ワークウェアやトラッドをベースにしながら、それを今の時代に合わせて分量やディテールをアレンジしていく。ジェンダーフルイドを感じさせるフェミニンな要素も散りばめられている。ウエストをのぞかせたり、リボンやチュールを重ねたりといったスタイルだ。
このところの気候変動を背景にしたアイテムにも注目が集まる。ショートパンツやハーフパンツが多く、テーラードスタイルもハーフパンツやショートパンツのスーツがメインとなった。オーバーシャツも豊富なバリエーションで登場した。アウターとして着用できるシャツを「トランス・シーズナル・アイテム」として提案するブランドもあった。
世界的に春夏が長くなり、春先から秋口まで着られる中間アイテムの開発が進んでいる。薄い中わたを入れたシャツアウター、ノースリーブのスウェットトップ。季節を超えて着られるデザインが光る。