《めてみみ》猛暑と物価高とレジャー

2024/08/02 06:24 更新


 夏休み入りの7月下旬になり、街や商業施設の人出が上旬のセール期よりも増した気がする。記録的猛暑で出掛ける時は日差しを避け、日陰や空調設備のある通りを選んで歩く。レジャーも外遊びを控え、涼めるインドアで過ごす人の方が多いように思われる。

 JTBが推計する今年の「夏休みの旅行動向」(1泊以上)によると国内旅行の旅行者数、消費額はともに前年実績を下回った。旅行意欲がある程度落ち着いたことに加え、日数の短期化、旅行先の変更といった費用の抑制傾向も指摘している。一方、円安や物価高の影響が大きいはずの海外旅行は、旅行者数、消費額ともに増加。所得の二極化がうかがえるほか、猛暑の日本を避けようとする意識もありそうだ。 

 人出の話に戻る。ある好業績の都心SCは、来館者数がコロナ禍前に戻っていないことを危惧(きぐ)している。買い上げ率、客単価ともに大幅な伸びで23年度売上高は過去最高。24年度もそれを上回る推移だが、進む人口減少を考えると客数増が欠かせない。

 この時期、ほとんどの商業施設が子供向けイベントを実施し、家族揃っての来館を期待している。SCや百貨店にはクーリングシェルターとしての役割もある。猛暑と物価高の夏。買い上げ率や客単価は少し下がるかもしれないが、涼しく過ごせる来館価値の提供が、今後の客数増に結びつくはずだ。



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