ジーユーが接客に力を入れている。10年以上前から客にコーディネートをアドバイスする販売員「おしゃリスタ」を店頭に配置するようになっていたが、最近では社内ロールプレイング大会の開催など、販売員全体の技術の底上げにも乗り出している。
同社は手頃な価格のマストレンド商品を買いやすい売り場環境で販売することで成長してきた。セルフ販売の店というイメージが強いが、柚木治社長は「店頭で接客を受けたお客様の購入金額は確実に上がる」との考えをかねてから示していた。
7月に取材したロープレ大会では、国内440店、アルバイトを含め、1万6000人の販売員から選ばれた代表8人が、女性客へのコーディネート提案と男性客へのアプリの使い方の説明の練度を競った。持ち時間4分。客の様子を見て声を掛け、短時間で必要な情報をわかりやすく伝えられるかが評価基準とのことだった。
セルフでの買い物に満足な客には笑顔であいさつするだけでも良いし、サポートが必要な様子の客には必要に応じて声をかける。1位になったヨドバシ博多店の西尾圭子さんは、ジーユーで目指すべき接客は「他店でなく、わざわざ自店に来てくれたお客様に感謝を表現すること」と話す。グローバルでの事業規模拡大に向け、今後は海外でもロープレ大会など接客技術向上に取り組む考えという。