JR大阪駅西口に、これまでなかった特徴を持つ2施設が7月末にオープンした。KITTE大阪とバルチカ03だ。開業景気と夏休みが重なったこともあるのだろう。いずれも多くの利用客でにぎわっている。周辺施設も同様で、大阪・梅田の人出が一層増したように感じる。
飲食店50店で構成するバルチカの「03」には〝おっさん〟の意が込められている。梅田で働く男性サラリーマンが昼、夜に日常使いできる飲食店が少ないと見て開発したそうだ。KITTEは、都道府県のアンテナショップなど日本各地の物産・飲食店を「意図的に」集積したという。いずれも「街に足りないもの」が開発の原点にある。
十数年前、ルクアやグランフロント大阪の新設、大丸大阪・梅田店の増床、阪急うめだ本店の建て替え増床など、オーバーストアと言われる中で商業施設の新設・増床が相次いだ。結果、それ以前と比べると梅田の客層は変わった。ほとんど見かけることのなかったベビーカーを押す人も増え、ファミリーでの来街は確実に増加している。
そこにインバウンドも加わった。客層の幅が広がったからだろう。最近は「オーバーストア」の声は聞かなくなった。多種多様な施設が集積していることが街の魅力を高める。老若男女が来街目的を持つ街は強い。ダイバーシティー(多様性)の重要性は街にも当てはまる。