おしゃれな菓子缶ブームが続いている。クッキーやチョコレートを缶いっぱいに詰め込んだもので、プレゼント需要にはまった。主役はもちろん中身だが、もう一つの主役は缶。ネコのイラストやレトロなグラフィックなど、各店こだわりの可愛いデザインで引き付けている。
サイズは手のひら大か、その倍か。価格は3000円前後からで、高いものだと5000円を超える。少々高くても味とデザインにこだわったものが人気商品になっている。
「おしゃれで可愛い」とくれば、ファッションブランドが黙っていない。ここ1、2年、国内外のデザイナーブランドによる菓子缶が増えている。記憶に残るのは、「ロエベ」のクッキー缶。23年末に販売した日本限定企画で、愛らしい動物のイラストがファンの心をとらえた。
最近は「アンダーカバー」がラスクの人気ブランドと協業し限定商品を発売した。缶に描かれたのはイチゴの帽子をかぶった目隠しのクマ。ブランドらしい怖くて可愛い感じが缶に詰まっている。
デザイナーブランドの服は、物価高などの影響で今まで以上にハードルが上がり、手が出ないという人も増えた。そんな今だからこそ、ブランドを知ってもらう導入口は必要不可欠。ファッションと親和性の高い菓子缶は、新たなプロモーションツールとしての可能性を秘めている。