《めてみみ》日常感じるイブニング

2025/10/16 06:24 更新NEW!


 「レッドカーペットにも対応できるドレスを作る必要があるんです」。ロンドン・ファッションウィーク・セプテンバー2025の期間中に展示会を行った若手デザイナーの言葉だ。

 メンズカジュアルからスタートしたが、今シーズン本格的にウィメンズを始めた。これまで通り日常で着られるデザインを軸にしながら、レースで仕立てたオケージョン向きのセットアップやドレスを同じコンセプトで提案した。

 セレブリティーやインフルエンサーに式典などで着てもらえれば、SNSで配信されて瞬く間に名前が世界に広がる。それは雑誌掲載の比ではなく、効果は以前よりも格段に上がったというわけだ。

 そんな理由も背景の一つなのだろう。今シーズンは、各地のファッションウィークでフロアレングスのパーティースタイルが広がった。ただ、いわゆる重厚なイブニングではない。華やかでありながら、日常も感じるデザインだ。それはラグジュアリーでも目立った。

 象徴的だったのは、「シャネル」のラストに出てきた艶のあるTシャツと羽根を飾ったボリュームスカートの組み合わせ。新ディレクターを迎えた「ディオール」や「バレンシアガ」にもそんなデザインが多く揃った。ラグジュアリーブランドは、培ってきた手仕事の技とリアルな日常着を融合させ、新しい層への発信を開始した。



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