ロンハーマンは使い終わった服の買い取りサービスを始めた。30年までに二酸化炭素排出量実質ゼロの目標を掲げ、環境負荷の少ない物作りなどに取り組む同社にとってサステイナビリティー活動の一環だ。
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「着なくなった服を処分したいが、二次流通業者の利用には抵抗がある」顧客が多い。だから安く買いたい業者と、高く売りたい客が対峙(たいじ)する構図にならない仕組みをまず考えた。
一般に、全国に店舗網がある大手二次流通業者は「わかりやすい人気ブランド」の商品に再販価値があると考え、高額査定を出す。ロンハーマンはファッション好きに刺さる服を売っているが、その商品価値が二次流通市場で確立されているわけではないので、買い取り価格が低くなることもある。
顧客の思いと査定にギャップが生じないように、ブランド古着の買い取りで実績ある企業をパートナーに選び、自店で過去に販売したオリジナルや、仕入れブランド、協業商品の品番、発売時期を共有して、査定価格に適切に反映してもらうことにした。
利益を求めて始めたサービスではないというが、当面のスケジュールは予約で埋まっている。「大切な服は価値がわかる業者を介して次につなげたい」「自分の思いより低い査定になるくらいなら捨てる」。そんな風に考える人は、思ったより多くいるようだ。
