《めてみみ》力を合わせて

2025/12/17 06:24 更新NEW!


 少子高齢化が進むなか、社会保障制度のあり方を巡る議論が盛んになってきた。よく挙げられる例えが「胴上げ型」「騎馬戦型」「肩車型」。65歳以上の人を20~64歳の何人で支えるかという問題に関して、1965年は9.1人が支える胴上型だったのに対し、2012年には2.4人、2050年には1.2人まで支える人が減少するという。

 社会保障支出や人的負担の面から考えれば、1人がほぼ1人を支えるような肩車型はまず成り立たない。行政も少子化対策や65歳以上も働ける環境整備を進めていく方針を打ち出しているが、いずれ財源確保のための税負担の議論も避けられないだろう。

 予想されていたとはいえ、切実な問題である。特に産地の中小メーカーなどでは、従業員の確保が企業の存続に直結する。春には65歳までの雇用が義務化されたが、特殊な機械や資格を要する業務ではこれをはるかに超える超ベテランに頼っているようなケースも見受けられる。

 今年も残るところあとわずか。年齢を意識することが増える。65歳など節目の年を迎える人は、なおさらだろう。昨今、新入社員の初任給アップが話題になることが多いが、一方で年配の人たちの働き方や待遇をどうしていくかも重要な問題。担ぐ人、担がれる人に二分化するのではなく、それぞれの年代の力をどう結集していくかが大切になる。



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