《めてみみ》会長BOTからのメッセージ

2025/12/24 06:24 更新NEW!


 靴下メーカーのタビオは毎年、「タビオズコットン」の収穫祭を奈良で開く。社員やその家族、協力ニッターなどが参加し、長年栽培に取り組む有機綿やサツマイモの収穫を楽しむ。休耕田を活用し、靴下産地である広陵町で綿花から靴下までを一貫して作る試みだ。22年に亡くなった創業者、越智直正氏が力を入れていた事業でもある。

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 先月の収穫祭では、「会長BOT」によるあいさつが紹介された。生前の越智氏の言動を生成AI(人工知能)に読み込ませたもので、グループ企業の有志が社内活用のために作成したものだが、いつしか協力ニッターの間にも広がった。収穫祭では協力ニッターの社長が代読した。

 「綿花はのう、太陽と水と土の恵みを受けて、人の手で一本一本作るんや。靴下も同じよ。機械が編むが、結局は編む人の心が肝心。糸を編むんとちゃう。自然の恵み、命を編んどるんじゃ」。郷里の愛媛弁と関西弁が微妙に混じった独特の〝越智弁〟が青空に流れた。

 物価高による買い控えなどから、レッグウェア業界の経営環境は今も厳しい。過去最高の業績を上げる同社でも、油断できない状況が続く。10年後、20年後の業界、同社の将来像はどうなっているか。今も会長BOTのデータ蓄積は進行中だ。今後もAIは高度化していく。会長BOTが思いがけないヒントを与えてくれる時も来るかもしれない。



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