経産省の来年度税制改正 脱炭素化、DX投資、中小企業のM&A促進制度を新設

2020/12/22 06:27 更新


 経済産業省は来年度の税制改正で、企業の脱炭素化やDX(デジタルトランスフォーメーション)への投資、中小企業のM&A(企業の合併・買収)を促す制度を新設する。いずれも、21年1月に開会する通常国会に関連法案を提出する。

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 脱炭素化税制では、政府が目標に掲げた50年のカーボンニュートラル(二酸化炭素の排出量と吸収量を合わせてゼロにする状態)の実現に向け、「大きな脱炭素化効果を持つ製品の生産設備」「生産工程などの脱炭素化と付加価値向上を両立する設備」を導入した企業に対して、所得税や法人税などを最大で10%税額控除、または50%の特別償却ができる制度を新設する。

 DXでは、データ連携・共有やクラウド技術の活用などで全社レベルのDX計画を主務大臣に認定された企業のデジタル関連投資に対して、3%か5%の税額控除、または30%の特別償却を措置する「DX投資促進税制」を新設。さらに、カーボンニュートラルやDX、事業再編への投資を行う赤字企業に対して、コロナ禍で生じた欠損金に限り、繰り越し欠損金の控除上限を最長5年間、投資額の範囲内で最大100%まで引き上げることができる制度も導入する。3制度とも、産業競争力強化法の新たな計画認定制度で所管大臣から認定された企業が対象。

 中小企業のM&A促進では、経営資源の集約化によって生産性向上を目指す計画の認定を受けた企業がM&Aを実施した際に、三つの優遇税制を新たに措置する。設備投資額の最大10%の税額控除または全額即時償却、M&A実施後の相手先の簿外債務などのリスクに備えるための据え置き期間(5年間)付きの準備金の積み立てを認める。さらに、「M&A実施後の雇用確保を促す」ため、給与など支給総額を前年度よりも2.5%以上引き上げた場合、その増加額の最大25%を税額控除する。



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