ジュエリーブランド「モナカ」は、12年にスタートし、天然石の魅力を引き立てるデザインや、クラフトマンシップのぬくもりを感じる作りが支持され、ファンを広げてきた。今夏には銀座に路面店を開き、日本の文化や物作りを世界に発信したいと考えている。
(中村維)
U字にくり抜いた原石にポストバーを渡した〝ロックピアス〟は、ブランドスタート時からのモナカのアイコン的なコレクションだ。「石の魅力を伝えるのが最優先。そして、身に着けて初めて完成する。私は影武者みたいなデザインの仕方です」とデザイナーの寳神朝子さんは話す。

石の個性引き出す
寳神さんは、伊丹ジュエリーカレッジで彫金やデザインを学んだ後、渡欧。ベルギーのアトリエでジュエリーデザインと製作に従事した。帰国後、日本のジュエリーブランドやメーカーに勤務し、デザインや貴石の買い付けを行った後、独立した。
かつて、ファインジュエリーやハイジュエリーの制作に携わっていた頃、違和感を抱えていた。「色むらや内包物のあるような天然石は石っころ扱いなんです。でもそこが素敵なんだよと伝えたくて、モナカを立ち上げました」
モナカでは、天然石や貴石の自然な色や形を生かしながら、素朴になり過ぎないよう品のあるサイズ感やデザインに仕上げるのがこだわりだ。フォーマル過ぎず、普段使いできる点も重視している。
工房では、個々の石に合わせて枠を作る。表面にはニュアンスのあるテクスチャーをつけ、石留めもあえて画一的でなく揺らぎを出すといったさじ加減を、熟練の職人とコミュニケーションを取りながら調整し、仕上げている。
文化の継承で貢献
今夏オープンした銀座店は、青山店からの移転となる。銀座を選んだのは、海外への発信を意識したためだ。「職人さんから、人も仕事も減っているとの話を聞いたり、海外へ行き来する中で、日本の物価がだんだん安くなっていったり。経済の弱り具合を痛感していました」。銀座には、海外から多くの観光客が訪れる。「微力ですが、ここで企業活動をすることが日本文化の継承につながり、経済にも貢献できれば」との思いがあった。


ショップの内装にも、そのコンセプトが反映されている。雲母を塗り込んだ新店の壁は左官職人に依頼。什器のタイルは名古屋のメーカーのものを使った。他の什器も岐阜の職人に発注して作るなど、日本の物作りにこだわった。ショッパーには備前の再生和紙や真田ひもを使い、ブライダルリングのケースは美濃焼だ。
「日本には、職人技やデザインも含め素敵なものがあると、自分が活動することで広がるといいなと思っています」としている。
