創業100年、舟久保織物の職人技 希少な「ほぐし織り」の魅力と可能性

2025/03/12 15:00 更新有料会員限定NEW!


緯糸を手で取り除く〝ほぐし〟の作業。世界的に見ても希少な技術だ

 舟久保織物(山梨県富士吉田市)は昨年、創業100年を迎えた織物工場だ。近年、国内でも希少な「ほぐし織り」を用いた織物を生産し注目を集めている。絣のような輪郭のにじんだような柄が特徴のほぐし織りは、主に洋傘の生地として使用されている。100年の歴史の中で産業構造の変化など試練もあったが、自社ブランドでの製品生産や新たな用途の模索を通じ、事業を継続している。

仏由来の技法

 ほぐし織りは、整経した経糸にプリントし、織り上げることで優しくかすんだ柄を作る技法だ。同社では、経糸に対し粗く緯糸を織り込んだ仮織りを行い、型を使いプリントした後、仮織りの緯糸を取り除きながら本織りの緯糸を織り込む。緯糸を手作業で取り除く〝ほぐす〟作業が名前の由来となっている。日本には明治期にフランスから技法が伝わり、フランス語では「シネ」(chiné)と呼ばれる。王妃マリー・アントワネットのドレスにも使われたとされるが、その歴史には不明な点も多く、フランスの国立美術史研究所が調査を進めている。

この記事は有料会員限定記事です。繊研電子版をご契約いただくと続きを読むことができます。

すべての記事が読み放題の「繊研電子版」
単体プランならご契約当月末まで無料!

今すぐ登録する

今すぐ登録する

会員の方はこちらからログイン

関連キーワード有料会員限定ものづくり最前線ピックアップニュース



この記事に関連する記事

このカテゴリーでよく読まれている記事