西川のnishikawa DOWNは清潔で、軽くて温かい。地球環境にも配慮した最高品質の羽毛で「心地よい眠り」を提案する。羽毛原料はヨーロッパなどで食用に加工された後に採取したものだ。決して羽毛原料にするためにグースやダックを飼育しているわけではない。
羽毛原料はトレーサビリティーを確立し、その調達から洗浄、製品化までを一貫した直営工場で生産する。それぞれの工程は緻密で、同社が羽毛ふとんにこだわり抜いた姿勢がうかがえる。
●最高品質を届ける“5つの約束”
ここ数年、睡眠に対する関心が高まっている。特にコロナ禍にあっては免疫力の向上などが注目され、寝具に対して積極的に選ぶ消費者が増えてきた。同社は「良質で、十分な睡眠は自分を愛すること」と話す。安心・安全はもとより、健康や美容にも睡眠はとても重要になってくる。上質な寝具を選ぶことは自分への投資となる。
だからこそ、羽毛ふとんに求められるのは軽さや保温性の高さといった道具としての機能だけではない。消費者は商品に対して誇りを持って使い続けたい。企業としてユーザーに対して製品に責任を持ち、環境への負荷を軽減することで社会に対しても貢献していく姿勢を確立していくことが重要だ。nishikawa DOWNには、産地や索材、製造工程に至るまで、「自社が守らなければならない5つの約束がある」。同社は「nishikawa DOWN Promise」を掲げている。
♦Promise 01/不純物を徹底的に取り除いたキレイな羽毛(特許出願中)
ウルトラファインバブルと超軟水で徹底洗浄
羽毛ふとんの製造で、最も重要なのがその洗浄だ。その上で上質な羽毛だけを選別していくことが価値のある羽毛ふとんを作り上げる上で最も重要だ。
同社の羽毛は先端技術のウルトラファインバブルと超軟水を使用して洗浄される。
ウルトラファインバブルは0.001ミリ未満のミクロの泡を発生させる技術で、1ミリリットル当たり約10億2000万個の泡が、羽毛の毛先のわずかな隙間に入り込み、超微細な汚れを取り除いていく。羽毛1本1本が開き、ふっくらと軽い仕上がりになっていく。
超軟水は同社がたどり着いた洗浄に適した水だ。泡立ちがよく、洗浄力も高い。硬水にはカルシウムやマグネシウムが含まれており、それが石けんカスになって洗浄力を低下させ、泡立ちが悪くなる。それらを徹底的に除去する技術を導入したことで超軟水を作ることができる。泡立ちがよく、洗浄力も高い。できるだけ摩擦を減らすことで「羽毛を優しく洗浄する」という。
♦Promise 02/さらに上質な羽毛だけを選別する“フレッシュアップ加工®”
大きくふっくらしたダウンのみが6mの壁を越える
徹底して洗浄をした羽毛を加湿乾燥し、冷却除塵の工程で不純物を取り除くと、羽毛は大きく開いていく。この段階ではその開き具合はさまざまだ。そこからさらに良質なものだけを選ばなければ最高級の羽毛とはいえない。
同社が行うのは“フレッシュアップ加工®”だ。洗浄したダウンに風を送り、5段階の羽毛に選別する。選別機には高さの異なる壁が設けられ、開いた羽毛は風に乗り、開き具合によって壁の下に落下していく。問題は最後にある6mの壁を越えられるかどうか。風の力で大きくふっくらしたダウンのみが6mの壁を越えていく。同社によれば、フレッシュアップ加工®後と加工前の羽毛で保温力を比べたところ、衣類の熱抵抗(衣類の温力の目安)を表すCLO値が平均で0.26。従来の羽毛ふとんよりも「約2℃ 以上高くなることが結果として証明された」という。また、工場内にはプラズマクラスターの空気浄化システムを導入し、あと工程でも埃などが付着しないようにキレイな空気の中で加工されていく。
♦Promise 03/西川独自の品質基準
わずかな品質のブレも見逃さない
選別された羽毛は機械と人の手によって8種類にも及ぶ検査を行う。熟練した技術者がその目で確認して、わずかな品質のブレも見逃さない。この検査があってこそ、nishikawa DOWNの品質が保たれ、多くの皆様の信頼を得ているのだ。
厳しい8種類の検査
♦Promise 04/安心のしるし
万全のトレーサビリティーを実現
製品に表示された羽毛原料は、飼育された産地にさかのぼって追跡調査できるトレーサビリティーについて同社では万全の体制を取っている。原産地はポーランドやハンガリーが代表的だが、世界各地から良質の羽毛を輸入している。信頼ある機関の管理のもとで安心を届けるために、(一社)日本寝具寝装品協会が開発した、羽毛トレーサビリティー監視システム「J-TAS」をいち早く取り入れた。
♦Promise 05 /環境への配慮
製造工程での徹底した環境負荷の低減に取り組む
「天然素材の羽毛を使うからこそ、環境に対しては十分な配慮をしなければならない」という。製造過程で環境に配慮することは企業としての社会的責任だ。環境に対して何の対策も打たない企業を消費者は今や認めなくなっている。
この間、同社は直営工場には太陽光発電設備の増強を図ってきた。同工場で羽毛ふとんの製造工程に必要な電力は77万kwh程度。現在ではそれを上回る80万kwhを太陽光発電でまかなっている。CO2排出をできるだけ低減しようという企業としての努力だ。
洗浄に使う水も節約しなければならない。それに大きく寄与しているのがPromise 01で触れたウルトラファインバブルと超軟水だ。これらによって従来の使用量の「約15%を削減することができた」という。
nishikawa DOWNに使われるのは「6mの壁を超えた羽毛」ということはすでに述べた。では超えられずに残った羽毛はどう活用していくのか。決して廃棄することはない。アップサイクルダウンとして利用されている。アパレル企業によってダウンジャケットなどのファッション衣料や雑貨に採用されて商品化されている。天然資源だから無駄なく活用する。同社は羽毛のフルユースを実現している。
環境への負荷を減らしながら羽毛の品質を上げていく。これらの両立はこれからの羽毛ふとんに欠かすことのできない取り組みだ。企業として社会的な責任を果たすことでもある。
お問い合わせ/お客様相談室
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メールでのお問い合わせ https://www.nishikawa1566.com/contact/cs/
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