ベンガラ染め 日本の手織り手法「さをり織り」をニューヨークで教えている「ループ・オブ・ザ・ルーム」は、3年前からベンガラ染めのワークショップも開催している。
ループ・オブ・ザ・ルーム創立者の佐藤根有可子さんによると、元々は「古色の美」(大阪)が海外普及の一環として始めたもので、年に2回ループ・オブ・ザ・ルーム、あと1回は別の場所に招かれて行ってきた。今年は特に人気が高まり、15日に今年5回目のワークショップを開催=写真。
佐藤根さんは「あっという間に定員になり、広まってきていることがわかる。フラワーチルドレン的なタイダイを化学染料で染めていた時期が長かっただけに、ベンガラの天然色と洗練された板締め絞りは新鮮で、日本らしい服飾文化をサステイナビリティー(持続可能性)と受け止めてもらえる」と話す。
15日に参加した11人はほとんど米国人女性で50~60代。テキスタイルデザイナーとして働き仕事でできない創作をしたい人、手芸愛好家、さをり織りをしに来てベンガラ染めを見て興味をもったという人などだ。
インターネットで知ったという人が多いが、佐藤根さんが8年ほど前から出展している「ニューヨーク州羊毛フェスティバル」で知ったという人も。ワークショップでは板染めの練習をした後、コットン、ウール、カシミヤなどの無地のスカーフを購入して染め上げた。
「タイダイ自体、人気のファッション。化学染料を使わないし、キッチンシンクでできるのがいい」と指摘する人もいた。終了後は、その場でベンガラ染めの染料を買い込む参加者もいて、みな「楽しかった」と語っていた。(ニューヨーク=杉本佳子通信員、写真も)