大西前取締役名誉会長、お別れの会

2015/08/27 06:55 更新


 大西は26日、前取締役名誉会長の大西隆さんの「お別れの会」を大阪市内で開いた。献花台を設け、歓談の場を用意した。取引先や関係者ら約2000人が訪れた。

大西さんを悼む

 また一人、大阪・繊維業界のレジェンドが去った。大西隆さんは伊勢発祥の繊維問屋を船場で日本一の現金卸に育てた。1975年から大西衣料(現大西)の社長を務め、ピーク時の91年には売上高1300億円を超えていた。

 公職も歴任。せんば心斎橋筋卸協同組合理事長、国際アパレル連盟会長、日本商工会議所中小企業委員会委員長、大阪商工会議所副会頭、00年代に入っても大阪卸商連盟会長、関西ファッション連合初代理事長、船場げんきの会代表世話人と頼られることが多かった。団体役職は17以上になる。

 近年はお会いする機会が減っていた。以前に「現金卸の歴史を伺いたい」と申し入れたところ「後進に譲っているので」とやんわり断られた。今の現金卸業界の低迷ぶりには残念な思いだっただろう。08年の新本館開業時には「日本も米国と同様に似たSC、専門店が増えている」と市場の同質化を懸念されていた。

 大西の社是は「日に月に新たなり」と、進取の気性に富むもの。グループは既存業態に加え、ジャムシティやオリム、ケアファッションと幅を広げている。大西さんも、その「新たなり」を見守ってくれると思う。ご冥福をお祈りします。

(小田茂)



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