オーガニックコットン(OC)の需給が一段と引き締まってきた。環境に配慮した素材を使う傾向の強まりのほか、中国新疆ウイグル自治区の人権問題も要因の一つ。この問題に関わる新疆綿を避け、よりエシカル(倫理的)なイメージの〝サステイナブル(持続可能)コットン〟を象徴するOCが選択肢として注目されている。さらに投機的な需要も膨らんで価格が上昇、「直近で従来の50%程度上がっている」(綿花商関係者)状況だ。「本当に手に入れたい人が手に入れづらい」(綿作農家関係者)課題も出てきた。
(小堀真嗣)
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生産着実に増加
米国拠点のNPO(非営利組織)、テキスタイル・エクスチェンジによると、18~19綿花年度(18年8月~19年7月)の世界のOC生産高は、前季比31%増の23万9787トン。09~10綿花年度に次ぐ高水準で、作付面積は着実に増えているという。
綿を中心にオーガニック繊維で作られた製品のためのテキスタイル製造・加工の国際基準であるGOTSの認証件数は、20年に世界で前年比34%増の1万388。初めて1万を超えて最多になった。紡績から最終製品までのサプライチェーンで厳格な基準が設けられ、トレーサビリティー(履歴管理)の仕組みも確立され、GOTSに対する関心が高まっていると考えられる。
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