お客の満足度を高める品揃えやサービスを提供する最前線の店頭で奮闘する販売職。お客とのコミュニケーションや顧客化など、売り上げアップや会社の成長に寄与している。経験やスキルを高めながら、キャリアアップを目指す販売職のやりがい、魅力を聞いた。
「感謝」は売り上げに表れる
人と接する仕事がしたいとの思いで、販売職に飛び込んだ貝瀬陽太さん。入社後は各店の現場で経験を積み、現在は「パシオス」下総中山店(千葉県船橋市)の店長を務める。店舗運営やスタッフとのコミュニケーション、予算達成に向けた取り組みなどに悪戦苦闘しながら、主体的に行動を起こすことで店長としてのスキルを磨いている。
責任ある仕事を
23年4月入社で、今年で4年目を迎えた。イベント系が学べる大学を卒業、ファッションも好きだったが、「笑顔が見られる、提供できる」販売職に興味を持ち就活した。「新潟から上京しての就活で、関東圏でチャレンジしたい」との思いで、エリア限定社員を希望し仕事に邁進(まいしん)している。
「ほかではなかなかない」と面接などで魅力に感じたのは、早くから責任ある仕事を任せてもらえること。貝瀬さんは赤札堂深川店(東京・門前中町)の研修から始まり、下総中山店のマネジャーを経て、1年目から長沼店(千葉市)店長、そして25年2月から現在の下総中山店店長になった。
下総中山店では一番のベテランスタッフから、「店長が3歳の時から働いている」と冗談交じりに言われるなど、スタッフ全員が年上という環境。だが、若い社員が店長になることが多く、温かい雰囲気でサポートしてもらえる環境があった。貝瀬さんは「年齢や経験値も下なので、店長という立場でもスタッフへのリスペクトを絶対忘れない」姿勢で向き合っている。店舗の中での人間関係を大事にし、互いが言いたいことを言える環境作りを心掛けている。
苦い経験も生かす
代行を含めて店長職は3年目になり、「良い経験を積み、恵まれた環境」という貝瀬さん。下総中山店では4月、店長就任後に初めて月の予算を達成し、「行動を起こし、結果が出たのでうれしかった」と、成長に向けた大きなステップになったという。
「昨年1年間は、店長として力不足で悔しかった」。長沼店とは売り上げ規模や立地、客層などが異なり、スタッフの数も増えた。一からの人間関係の構築や日々の業務をこなすことに精一杯な時期が長く続き、「予算達成に向けた行動ができなかった」と、苦い経験をする。
そこで、予算達成ができなかった課題を分析。3月に苦戦した子供関連の売り場を刷新したほか、半身のトルソーで単品のディスプレーをコーディネート風にして配置、周りにはカラーバリエーションを揃えるなど、対策に取り組んだ。改善できる箇所を明確にし、自分では気づかない現場スタッフの意見も聞いた。今年は「忙しかったから」を言い訳にせず、忙しい中でも行動を起こす時間を作っていくことを決意している。
総合衣料でセルフ販売が主な業態では直接、「ありがとう」など感謝の言葉はあまり聞けない。しかし、「喜んでもらっている」結果は売り上げに表れる。自分やチームがアクションを起こし、行動と数字が伴ってくることにモチベーションを感じている。
今後は、任された店舗だけでなく、周りも巻き込んで会社やほかの店舗に影響を与え、今の枠を超えて行動が起こせることを目指している。そして、エリア限定として関東圏で頑張ることはもちろん、「現在は店舗がない出身の新潟に出店計画が出た場合は1号店を任されるように成長していきたい」と語る。

■ここがすごい!
「チームワークを大切にし、課題改善への気づきが早く、設定した目標に向けて着実に実行できる点が強みです。今後はOJT(現場教育)店長として後輩の成長を支えるだけでなく、将来的には地区全体をまとめる役割にも挑戦し、さらなる活躍の場を広げていってほしいと思います」(田崎和行販売部部長)
(繊研新聞本紙26年5月15日付)
