【パリ=松井孝予通信員】「ケミカルバレー」と呼ばれるフランス南東部リヨン近郊で確認された有機フッ素化合物(PFAS)汚染を巡り、国連の特別報告者たちがフランス政府と化学大手2社に対し、人権への影響に関する説明を求めていたことが分かった。
国連人権理事会の公開文書によると、環境、食料、水、有害物質を担当する4人の特別報告者は3月13日、フランス政府、アルケマ(フランス)とダイキンケミカルズ・フランスに対し申し立て書簡を送付。ローヌ、ロワール、イゼール各県で、住民や労働者の健康な環境への権利、安全な飲料水へのアクセス、食の安全などが損なわれている疑いがあるとして、60日以内の回答を求めた。
問題となっているのは、ケミカルバレーで長年確認されてきたPFAS汚染。住民ら約200人は今年1月、両社を相手取り提訴を起こした。
国連がPFAS汚染を巡り国家に説明を求めるのは、23年の米ノースカロライナの事例に続くもので、欧州ではフランスが初となる。PFASを巡る議論は、製品規制や残留基準にとどまらず、川上化学メーカーを含むサプライチェーン全体の人権責任そのものが問われている。