秋冬ピッティ・ウオモから/上

2015/04/24 10:16 更新


世界の若手をチェック 新エリアに注目デザイナー/ライター・益井祐

 ピッティ・ウオモというとイタリアンクラシコのイメージが強いが、ストリート系など話題のブランドのショーやプレゼン、世界の注目デザイナーのブースも多い。若手ブランドで面白い商品が見つかる。
 
 イタリア発の若手シューズデザイナー「アルベルト・プレッミ」①は、光とグラフィックを使ったダンスパフォーマンスでフューチャリスティックなスニーカーコレクションを発表した。ファッション誌『ルオモヴォーグ』や『GQイタリア』がサポートする若手コーナー「ザ・レイテスト・ファッション・バズ」には、セントマーチン美術大学の修士課程を卒業したニューヨークベースのメンズデザイナー「インバー・レヴィ」②が登場。

 デジタルプリントのTシャツからスタートし、ドレスも作るユニセックスブランド「アントピタゴラ」③、韓国で長年手腕を振るってきたデザイナーのシグネチャーブランド「ドキュメント」④も注目だ。有名メゾンでアクセサリーデザイナーとして働いたマッツ・ロンボーのソロプロジェクト「ロンボー」⑤は、環境に配慮したおしゃれ“ビーガン”シューズ(動物性の素材を使っていない)。

 今回、新たに加わった二つのエリアが、注目デザイナーを集めた「アンコンベンショナル」と米国ブランドの「ボーン・イン・アメリア」。アンコンベショナルには「フード・バイ・エアー」⑥のHBAのロゴを多用したコマーシャルピースや、モントリオール発の「ドムレベル」⑦、絞り染めを全面に打ち出したニットウエアでヨーロッパで人気になっている「スズサン」⑧が並んだ。スズサンにはトータルコーディネートのためのパンツや手織りのカシミヤスカーフが加わった。

 一方ボーン・イン・アメリカには、ロンドンにもショップができヨーロッパでの認知度が上がっている「シノラ」や、クロスのステッチがチャームの「イモジン・アンド・ウィリー」⑨「ノーマン・ラッセル」⑩といったデニムブランド。トレンチからスタートしソックスなどの小物にも力を入れている「アメリカントレンチ」⑪も出展した。

 メンズファッションで重要度を増すアンダーウエア。スウェーデン発の「ホワイトブリーフス」⑫はアイテム全てがメリノウールの、ニック・ウースターとのコラボレーションを見せた。

 ピッティ会場内には、国によるエリアやブースもある。韓国やスウェーデンは自国ブランドを集めたスペースを設けたが、毎シーズン行われている招待国として選ばれたロシアはオイルショックによる金融危機で参加を断念した。また会期中の街中では、シューズの肥田野永と象眼細工の望月貴文のフィレンツェをベースにする二人の日本人クリエーターが、エキシビジョンを行った。サーカスをテーマにした象眼細工とベビーシューズの作品が展示された



この記事に関連する記事

このカテゴリーでよく読まれている記事