POP(店頭広告)は物言わぬ販売員と言われ、テーマを伝えるための重要なツール。POPで売り上げを伸ばすことも十分可能です。それを実現するにはまず目にしてもらい、読んでもらって内容が伝わることであり、そのために体裁を整え、文字数を適正にすることが必要です。
売り上げに結びつけるために重要なのは記載内容。ディスプレーもPOPも、売り上げに貢献するためにはテーマの設定が欠かせません。ディスプレーは商品を使って視覚に訴えますが、POPは文字情報でテーマを伝えます。
これからPOPの新たな常識として、見てもらい読んでもらうため、そして売り上げに結びつけるための記載内容について述べます。
見てもらい、読んでもらうために
見てもらうためには、体裁を整えます。体裁を整えるには、用紙の色や形、サイズ、文字の色や字体、レイアウト、数量、設置場所などをルール化します。
POPの代表的なルールとして6項目を挙げます。ルールを決め、個人の感性に任せないことで、自然にお客様の目に留まり、読んでもらうための環境が整います。
①色
ベース(紙)の色、文字の色を決める。文字の色は通常2~3色
②サイズ
縦、横のサイズを決める
③付ける位置
商品の左、什器の上など設置する場所にもルールを決める
④付け方
付けるための器具を決める
⑤レイアウト
POPの構成、プライスカードなら価格は下、右など
文字数に気をつけて
読んでもらうためには、文字数に気をつけます。お客様にお知らせしたい情報はたくさんあります。だからといって多くの情報を詰め込むと、文字数が多くなって文字も小さくなるので、お客様は読む気が失せます。歩きながら目を向けるお客様が、一瞬で読むことができる文字数は限られています。
家のソファでくつろいで読むのと違って、お客様が立ち止まって読むのはせいぜい15秒足らずです。その間に読める文字数は70文字程度です。ですから、タイトルを除いた説明文は、確実に読んでもらえるよう30~40文字にします。
ディスプレー同様、発信したい情報がたくさんあったとしても、欲張らずに絞ります。適正な文字数で、なおかつお客様との距離を考慮した文字のサイズにすることで、確実に伝わります。
(武永昭光ショーアンドテル代表)
小売りの科学に習熟した人材育成とMD、VMD、改装の科学的な支援で業績を向上させる活動をしてきた。会社設立20周年を機に、今後は蓄積したノウハウの普及を中心に活動していく
(繊研新聞 2016/08/09 日付記事を再編集)