ラフ・シモンズ レトロフューチャーなビッグシルエット

2021/03/29 10:59 更新


 ラフ・シモンズも独自スケジュールで21~22年秋冬コレクションをデジタル配信した。古い計器が並ぶ空間を、クラフトワークの音楽にのせてモデルが歩く。デビュー間もない時期のコレクションでもクラフトワークを背景にしたコレクションを見せたことがあったが、そのシーズンとは異なるライン。ラフ・シモンズらしいボリュームのメリハリで見せるレトロフューチャーなコレクションだ。

【関連記事】ロンドン・デザイナーの21~22年秋冬コレクション 体やシルエットを探究=JWアンダーソン

 プラダの秋冬とも重なるのは、ビッグサイズのアウターと体のラインを強調するアイテムとのコントラスト。キルティングのボリュームコートに膝丈の変形ケーブルニットといった量感のトップがキーアイテム。それとは対照的に、頭をすっぽりと包み込む頭巾のようなヘッドピースやグローブが未来的な雰囲気を醸し出す。ボリュームセーターの肘の部分には袖を留めるようなアクセサリー。ビッグサイズのプルオーバーの襟元はスカーフのような三角形のディテール。そんなディテールが、どこか宇宙船の乗組員のユニフォームのようにも思えてくる。ジャカードセーターで描くグラフィカルな配色、秋冬らしくないカラーコーディネートにもラフ・シモンズらしさが感じられる。

(小笠原拓郎)

ラフ・シモンズ
ラフ・シモンズ
ラフ・シモンズ


この記事に関連する記事