【私たちはこんな人と働きたい】バロックジャパンリミテッド 自分を高める気持ちを大切に

2025/03/13 00:00 更新


バロックジャパンリミテッド 営業販売本部販売統括部エリアマネージャー 田久保鮎果さん(左)、管理本部人事部人材開発グループ 西原涼太さん

 若手社員の活躍の場が広がっている。アパレルと一言で言っても、職種や仕事内容が多様になってきているため、具体的になりたい将来像を描いて入社する人も増えてきた。ルックホールディングス、バロックジャパンリミテッドはいずれも新卒採用を強化している。

販売職のキャリアパス広く

 「マウジー」「スライ」などの17ブランドを運営するバロックジャパンリミテッド。新卒社員の育成に力を入れており、24年度から販売職の中でも二つのキャリアコースを設けた。25年卒は前年より2人多い37人を採用。26年度も新卒採用を増やす考えだ。管理本部人事部人材開発グループの西原涼太さんと営業販売本部販売統括部エリアマネージャーの田久保鮎果さんに聞いた。

 ――販売職の採用は。

 西原 例年、選考は春と秋に行っているのですが、24年卒から春は本部キャリアコース、秋は店舗キャリアコースに分けて採用しています。いずれも4月に入社して販売員からスタートしますが、本部キャリアコースは3年後の本社異動を目指してもらいます。店舗キャリアコースは店長やエリア責任者などを目指し、現場で経験を積んでもらいます。

 ――その背景は。

 西原 少し前までは、当社のブランドが好きで入社を希望する方が多かったですが、最近はなりたい職種を具体的に挙げる方が増えています。接客やプレス、デザイナーは変わらず人気ですが、最近は四大卒の学生を中心にEC関係の業務に就きたいという方も多いです。

 田久保 「ラグアジェム」を立ち上げた室原彩夏ディレクターをはじめ、SNSにフォロワーが多い人気の販売員に憧れて志望してくれる方も多いです。色んな形で活躍している社員を見て、いずれは自分のブランドを立ち上げたい、多くの方に向けて何かを発信したい、見られる側として活躍したいと考える方は多いですね。

 ――求める人材は。

 田久保 販売職は人柄や印象の良さが大切だと思います。ファッションの知識や接客スキルは入社後の研修で学ぶので問題ありません。ECで買い物ができる時代だからこそ、店頭に立つ販売員として、外見と内面を磨き、自分を高めようとする気持ちや向上心を重視します。

 ――26年度の採用は。

 西原 2月中旬から募集を開始しています。目標人数は決めていませんが、なるべく多く採用したいと考えています。学生とのコミュニケーションの場を増やすため、オンラインがメインだった合同説明会も、今年はリアルで開催する予定です。

 ――入社後の研修は。

 田久保 店頭で働き始める前にオンライン研修を受けてもらいます。お辞儀やあいさつの仕方など接客の基本を伝えています。中にはECの購入経験が多く接客に不慣れだったり、お客様に〝押し売り〟をしたくないという不安を持つ人も増えています。まずは接客の必要性や何のために店頭に立つのかについて伝えます。それを踏まえて、店で実践練習をしたり、先輩の良い接客を受けてもらいます。

主力ブランド「スライ」のルミネエスト新宿店

 ――待遇は。

 西原 勤務地によって地域手当は異なりますが、初任給は引き上げています。異動に関しても、欠員が出た時の社内公募だけでなく「バロックチャレンジ」という制度で年2回異動のチャンスがあります。実際、働き出すとブランドや販売の仕事が好きになって、そこまで応募が来ないこともあるのですが、ジョブローテーションで様々なスキルを身に着けたいという方のために環境を整えています。

 田久保 SNSのフォロワー数がモチベーションになっていたり、個人での発信に力を入れる販売員は増えています。彼らが得意なことを生かす環境を作りたいと考え、SNSを使ってどのように販売効果を生むかを考える専任の課を今春に立ち上げました。

■会社概要

  • 売上高:602億円(24年2月期)
  • 主要ブランド:マウジー、スライ、アズール・バイ・マウジー、ラグアジェム、エンフォルド
  • 従業員数:1424人(連結従業員数、契約社員を含む、24年2月末時点)

(繊研新聞本紙25年3月13日付)

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