【採用のポイントは?】田原屋 多様な職種で全てはお客様のために

2025/02/19 00:00 更新


田原屋 甲斐直裕社長

 企業は社風や施策に合った人材を求めている。採用は売り手市場が続いており、「選んでもらえる企業」として、魅力や働き方、待遇改善などを丁寧に伝えアピール。企業の拡大や構築には〝人材〟が欠かせない。

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チャレンジできる環境で一緒に

 総合衣料品チェーン専門店の田原屋(神奈川県川崎市)は店舗拡大を進め、事業拡大に取り組んでいる。店舗運営や販売スタッフ、バイヤー、企画など多様な人材を求めており、新卒、中途ともに採用数を増やしている。「すべてはお客様のためだけに」を企業の原点とし、〝チャレンジできる環境〟を強みに、市場や客が求める店舗展開を構築している。企業の魅力を伝える甲斐直裕社長に現状を聞いた。

 ――採用の状況は。

 25年の新卒採用は5人、24年度の中途採用は20人で、店舗拡大に伴いどちらも増やしています。新卒は、本部勤務も含めた総合職と勤務地を限定したエリア社員に分かれます。中途採用は、商品部や営業部など、より専門性の高い職種別に募っています。

 どちらも初めは店舗の現場に配属し、経験を積んでもらいます。新卒の総合職は本人の希望を聞く一方で、色々な可能性を秘めているため、特性などを見て配属します。エリア社員は基本、店長職を目指してもらいます。

 面接はリアルとウェブで行い、適性検査から一次面接に移り、店舗見学とともに「こうしたらもっと良くなる」などのリポートを提出。消費者に近い立場で改善策などを自由に書いてもらいます。

 ――採用の方針は。

 採用は売り手市場です。今回からはエントリー者にはまずは対面で会うようにしました。会社の詳細や希望する部署の社員も同席し、より会社を知ってもらうためです。最終面接の際には、店舗見学のリポートと人となりを見ますが、より重視しているのがチャレンジ精神を持っており、考えたことや提案を具現化できる人材です。企業としての魅力を作っていくのは人だからです。

 新しい提案や施策は「失敗したらどうしょう」と考えがちですが、私も含めて知見のある上司や先輩のバックアップや一緒に考えていく環境がある。具現化するための分析や取り組みをもとに、チャレンジして欲しいですね。若い人の背中を押していきます。

 採用は選ばれるような企業でないといけないと思っています。そのためには企業の成長性を示すことも大事です。コロナ禍でも売り上げを伸ばして、店舗数も拡大しており、店舗網は関東と甲信越を軸に、東海、関西地区に184店で、まだまだ出店の余地があります。来期(26年2月期)中には190店を超える見通しで、200店舗を通過点として次のステップに向かっていきます。

 総合職はこれまでと違う土地で働くことも。本人はもとより家族の人も「入ってよかった」と、安心して働いてもらえることを大事にしています。給与面でもアップ政策を取っています。

 ――入社後の働き方は。

 ジョブローテーションやキャリアアップで活躍している社員も多い。総合職では若い人の管理職も多く、各部門でキーマンになっている人も。3月オープンの新店「ミナノバ相模原店」(神奈川県相模原市)の店長には、20代女性が就任します。店長職は3店目ですが、新店は初めて。人柄やキッチリした性格などで、これまでも店長として店を盛り上げてきた経験があります。

 一緒に働くスタッフは年上がほとんどで新店の大変さの一方で、やりがいを感じているようです。強いリーダーリップで店を引っ張るなど色々なタイプの店長がいます。店やお客様により良いサービス、成功したいと思う向上心に応える土壌があります。

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■会社概要

  • 売上高:412億9200万円(24年2月期)
  • 事業内容:婦人・紳士・子供のファッション衣料、服飾雑貨、肌着、リビング用品を扱い、「ファッションプラザ・パシオス」を184店展開(25年2月末)
  • オリジナルブランド:トレンドスタイル「アピ」、今風カジュアル「サフューズ」、アクティブスタイル「スピーブ」、アウトドアスタイル「ピーコム」、アーバンスタイル「フォブル」、大人服「ラビモア」

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