《注目のEC》サカゼン サイズ不安と欠品離脱を減らす

2026/07/03 06:28 更新NEW!


15のAIモデルを使ってコーディネートを提案

 坂善商事が運営する「サカゼン」は、自社ECで大きいサイズの服を「着られるもの」から、「選べて楽しめる」ものにする取り組みを進めている。今年80周年を迎えた同社は、カジュアルからスーツ、スポーツ関連まで幅広く揃える。顧客には「欲しい服があっても自分のサイズがない」という妥協を重ねてきた人も多い。ECでも色、サイズ、デザイン、着用シーンから選べる環境を整え、店舗と横断した購買体験を高める。

選択肢を広げる

 EC売上高は全体の20~25%。EC売り上げに占める自社EC比率は約42%まで高まり、当面は50%を目指す。紙のポイントカードからデジタル会員への移行を進め、店舗とECの顧客情報を一元化してきた。店舗顧客がECで購入し、ECで知った顧客が店舗を訪れる流れも生じている。

 試着できず、素材感も伝わりにくいことはECの弱点だ。そこで商品画像は自社スタジオで撮影し、色や素材感を細かく表現している。機能性商品では、ウエストの伸縮性や通気性、汗じみの目立ちにくさなどを写真やテキストで詳しく紹介。サイズのレコメンド機能も導入し、同社独自のサイズ表記でも、顧客が自分に合うサイズを見つけやすくした。

欠品時も提案

 サイズ展開が幅広いため、SKU(在庫最小管理単位)規模で在庫切れが起こりやすい。欠品した商品ページからの離脱を減らすため、閲覧商品に近いサイズ、価格帯、テイストの商品を提案する仕組みを入れた。単に売れ筋を並べるのではなく、顧客のニーズに近い代替品を示すことで機会損失を抑える。

 今年3月にはAIモデルを使ったスタッフコーディネートも始めた。多様な体形や年代の着用イメージを増やし、顧客が自分に近い見え方を探しやすくする狙いだ。AIモデルであることは明記し、サイズ感の再現だけではなく、コーディネート提案の幅を広げる施策と位置付ける。

 今後は、買いやすさとコンテンツの充実を両輪で進める。顧客アンケートを基に、表示速度や商品一覧、サイズ検索を改善し、その内容もサイト上で公開している。目的の商品を探しやすくするだけでなく、用事がなくても見たくなるECを目指す。

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