これって、もしかして五月病!?

2016/05/14 06:11 更新


ファッション業界人のヘルシー&ビューティーなライフスタイルを応援します。

≪本日は健康相談日≫聞かせて!先生!!

健康的なライフスタイル志向の高まりから、ファッション市場にもヘルシー&ビューティーといったキーワードが広がってきました。商品の送り手側であるファッション業界の人々の、ちょっとした心身の不調や悩みを解消できればと、行列のできる漢方薬局店主、根本幸夫先生に回答いただくコーナーを掲載します。

 

Dr.Nemoto
根本幸夫(ねもと・ゆきお)さん 東京・大岡山の漢方平和堂薬局店主。横浜薬科大学教授。薬学博士。総合漢方研究会会長。昭和大学薬学部講師、洗足学園音楽大学邦楽研究所講師。伊勢丹新宿本店地下2階ビューティアポカセリー顧問ほか、幅広く活躍。

【質問】妙に悲しくなります。思い当たる理由はなく、仕事も普通にできているのですが、人と会うのが少し怖い気もしてきて不安です。(20代・女性・販売職)

【回答】前回もお話ししましたが、人の「気」が最も不安定になるのは、木々が芽吹き、犬や猫にさかりのつく2~3月ごろです。桜の散るころには一段落しますが、4月末からの大型連休くらいに若葉が膨らんで萌え立つようになると、また、精神的に不安定になりやすく、学校や会社に行きたくなくなる五月病が増えます。

 自然の摂理と関係して不安定になりやすい時期なのに、学年やクラス、職場などの環境も変わりやすく、1カ月頑張っていた人も、プッツンと「気」が切れてしまうのですね。職場で突然、泣き出してしまったり、大きな声で怒鳴ったりしてしまう人が出やすいのも、この時期です。

 理性の弱い人、感情のコントロールがしにくく、自分の心とうまく付き合えない人ほど、なりやすい傾向にあります。理性より、感情がぐっと優先してしまうのです。女性だとわかりやすいと思いますが、生理前に心が揺らぐのが、倍になって来るような感じです。この時期に、ものすごく甘い物や、こってりした物を食べたくなる人も、要注意です。

 この季節は、ホルモンの影響で睡眠不足のほか、だるくてしょうがない……といった症状が増えるのも、お話ししましたね。不安神経症的な場合も、睡眠不足は最もいけません。深夜12時前には寝るようにして、6時間は眠ってください。また、首にトラブルがある人ほど、不安になりやすいので、そこから治す必要もあるでしょう。

 精神と食べ物の関係も大事で、甘味が多い→憂い、意志が弱くなる、切れやすい、辛味が多い→悲、涙しやすい、といった関係性があります。甘い物をたくさん取っていると、不安になりやすいというわけです。お肉も取り過ぎないことです。チーズやバターも少なめの方が、イライラしません。お寺の食事のような、一汁一菜が心を整えるのに良いのですね。

 不安を解消し、気の調和に効果的なのが、百合根(ゆりね)や紫蘇(しそ)です。漢方では、「訳が分からない、様々な病気が100も合わさったような」という意味からくる百合病(ひゃくごうびょう)という病気に対し、百合根が利くために、百合根と呼ぶ、そんな説があるほどです。原因不明の熱にも、良いのですが、不安感が強い時は、百合根と紫蘇のスープがお薦めです。日本茶や黄緑野菜も良いですよ。薬は甘麦大棗湯(かんばくたいそうとう)などを使いますが、薬局にご相談ください。ラベンダーやレモンの香りは、神経を落ち着かせる効果があるので、香りを楽しむのも良いでしょう。

:::今日の心得:::

  1. 五月病、侮るなかれ
  2. 最大の敵は睡眠不足
  3. 過度の甘味は「憂」に
  4. 不安の解消に百合根
  5. ラベンダーの香りも良し

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