21年もうすぐ終わり、あっという間に1年が経とうとしていますね。今年の若者の状況を振り返ると、前半は外出自粛や通学や学校行事・部活なども制限され、学生においては「放課後」の時間が激減するなど、引き続きコロナ禍の影響で生活環境に制限がされました。後半はワクチン接種なども進み、少しずつ緩和状態にありますが、まだまだ予断を許さない状況です。このような状況に合わせて彼らの楽しむトレンドや価値観、実態も変化が見られています。
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クローズドな思い出作り
最も大きな変化は、交友関係に対する意識です。外出自粛・不特定多数との接触を避ける生活が続いていることで、信頼関係が既に構築されたコミュニティーの深く狭い関係性を重視するようになりました。そのため、「ホテル女子会」や「セルフ写真館」など、気の知れた友達との関係性をより深められる、クローズドな思い出作りを楽しめる体験がトレンドとなりました。
体験だけでなく、SNSの投稿にも影響がでています。友達やカップルの「なれそめ動画」や仲の良いグループの友達を1人ずつ紹介する動画など、関係性を表現する動画の投稿もトレンドとなりました。
今年注目を浴びたインフルエンサーであるコムドットも「地元ノリ」をテーマにしており、彼らのコンテンツをまねて友達同士で動画コンテンツを作り始める若者も多くみられています。
ヲタ友とのつながり強固に
また、若者がお金と時間を費やしているヲタ活については、コンサートの「推し」との接触の回復がないなかでも、熱量は依然として高くキープされ、自宅で「推しグラス」など手作りできる「創作ヲタ活」が楽しまれていました。友達と作るプロセスを楽しみながら、SNSでつながっているヲタ友とに共有することでコミュニケーション機会を作ることにも活用しています。
SNS上でのヲタ友とのつながりもより強固になっており、推しを応援するという同じ目的のもと結成された「ファンダム」で推しの誕生日をお祝いしたり、推しをテーマにしたSNSアカウントを運営するなど、オンラインで結束している様子も見られています。
2年間の行動制限による価値観の変化は一時的なものではなく、定着してきているように感じています。若者がオフライン・オンラインを問わず、関係性の深さや明確な目的に共感しあっていることを重視した小さなコミュニティーを大切にする傾向は、今後も継続していくことが予想されます。