イベントを楽しみ尽くす若者たち 高校生と大学生で異なる熱量《SHIBUYA109lab.所長の #これ知ってないと気まずい 》

2026/09/09 06:26 更新NEW!


おそろいコーデなどファッション消費にも

 サマーシーズンが終わりを迎え、秋冬のイベントシーズンが近づいてきました。クリスマスやハロウィーンといったシーズンイベントに加え、文化祭や体育祭などの学校行事、近年人気のネモフィラやバラ園を楽しむお出かけ、バーベキューや音楽フェスなど、Z世代を取り巻くイベントは多様化しています。若者たちはどのようなイベントに心を動かされ、どのように楽しんでいるのでしょうか。

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 Z世代が楽しんでいるイベントに関する調査を実施し、その結果をもとに若者が年間を通してどのイベントに熱量を向けているのかを可視化した「Z世代の年間イベントモチベカレンダー」を作成しました。


今しかできない

 調査では、高校生と大学生でモチベーションに違いが見られました。高校生は文化祭、体育祭、修学旅行・合宿が上位を占め、学校行事への参加意欲の高さが目立ちます。一方、大学生はクリスマス・ホリデー、バレンタインデー、文化祭が上位となり、シーズナルイベントへの関心の高さも見えてきました。

 印象的だったのは、高校生の「限られた時間の特別さ」を語る声です。「中学生の頃、SNSでキラキラした女子高生を見て高校生活に憧れていた」「制服で楽しめることは悔いなくやり切りたい」といった言葉からは、高校生活そのものを一種の〝期間限定イベント〟として認識しています。

 背景にはコミュニティー環境の変化が影響しています。高校生は学校が生活の中心であり、友人と濃密な時間を共有することを重視します。一方、大学生はサークルやゼミ、アルバイト先など所属先が増え、一つのコミュニティーへの帰属意識は相対的に薄まります。この差が学校行事に対するモチベーションの差につながっています。

何度も楽しむ

 大学生も友人との時間を大切にしている点は変わりません。ただし、一つのイベントをさまざまな相手と複数回楽しむ傾向が見られます。

 たとえばクリスマスでは、「イルミネーションを見に行く」「クリスマスマーケットに行く」など、実施する行動の選択数が平均2.51個と、シーズナルイベント全体の平均1.84個を大きく上回りました。実際に「12月が始まったらクリスマス期間だと思っている」「クリスマスは何度も違う人と楽しむ」という声もあり、当日だけでなくシーズン全体を楽しむ発想が特徴的です。

 また、あまり楽しまれていないイベントについて理由を聞くと、「楽しみ方がわからない」という回答が多く聞かれました。イースターやエイプリルフールがその代表例。対照的に、クリスマスなどは、SNS上で食事や体験、写真の撮り方、自宅での楽しみ方まで、多様な「お手本」が共有されています。「どう楽しむか」の選択肢の豊富さも関心を高める要素の一つになっています。

 さらに注目したいのがファッションです。若者の間では季節ごとに服を購入するだけでなく、イベントに合わせて友人とお揃いアイテムを購入するなど、イベントをきっかけに新たな消費が生まれています。

 イベントをきっかけとした消費や自己表現の動きが見られる中、企業やブランドにとっては、若者がどのようにイベントを楽しんでいるのかを理解することが、接点作りを考えるヒントになるかもしれません。

長田麻衣(おさだ・まい) SHIBUYA109lab.所長。毎月200人の若者と接する毎日を過ごしている。著書に『ほめられると気まずすぎてしぬZ世代、ほめて伸ばそうと必死になる上司世代』(徳間書店)。

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