サトウキビのしぼりかす(バガス)からデニム製品「シマデニムワークス」を作り上げるリノベーション(東京、山本直人代表)は、日本を代表するサトウキビ産地、沖縄県で直営店を運営するとともに、今春からバガス活用の生地によるかりゆしウェアのシェアリングサービス「バガスアップサイクル」も開始した。「サトウキビ産業が循環する仕組みを確立することで、衣料品の大量生産・大量廃棄からの脱却、地域創生につなげたい」としている。
(大竹清臣)
■国内の技術を生かして
サトウキビは収穫量が世界最大の農産物で年間18億9000万トン生産されている。トウモロコシ(約11億トン)や小麦(約7億6500万トン)などと比べても圧倒的な量を誇る。そのうち日本では157万トン。ただし、沖縄では30年ほど前から収穫量が減少し、収益性の低さや後継者不足が課題となっている。
世界でサトウキビ製糖時に発生するしぼりかすのバガスは年間1億8900万~3億7800万トンとなる。こうした「未利用の資源を有効活用することで、環境汚染に悪影響を及ぼしているアパレル産業の課題解決への一助にしたい」との思いから、取り組みが始まった。