はじめまして、ベルギーのレポートを担当いたします前田サイコです。
これまで、さまざまな立場でテキスタイルやファッションに関わって参りましたので、繊研+ に記事を載せていただけること、とても喜ばしく思っております。
最近のベルギーは、例年にない晴天に恵まれ、カフェや公園ではビールを楽しむ人々で賑わっています。初回は、ベルギーのナショナル・ホリデーについてお届けいたします。
澄みきった青空のもと、7月21日に、ベルギーは建国記念日* 、そして、アルベール国王の退位、フィリップ皇太子の即位の式典の日を迎えました。
*ベルギーの場合の建国記念日は、1830年にオランダから独立した日ではなく、1831年に初代国王レオポルド1世が宣誓を行った日に制定されています。
首都ブリュッセルの王宮周辺の主要な道路は、通行止めになり、広場には次々とブースが設置され、黒、黄色、赤の小さなベルギー国旗を持った人々であふれかえりました。
ベルギーの公用語は、オランダ語、ドイツ語、フランス語の三カ国語**ですが、近年、北部フランダース地域のオランダ語圏と南部ワロン地域のフランス語圏の対立が目立っています。新国王には、ベルギーをひとつにまとめる一層大きな期待が寄せられているのかもしれません。
**北部のフランダース地域ではオランダ語、南部のワロン地域ではフランス語、ブリュッセルではオランダ語とフランス語の二カ国語、東のごく一部ではドイツ語。
最高裁判所前には、大きな幕が掲げられ、午後には、大通りで軍隊や警察のパレードが繰り広げられました。
そして、芸術の丘を登りきった位置にあるロワイヤル広場には、各種のベルギー軍隊が、訓練の写真やユニフォームなどを展示し、人々の質問に答えます。
また、軍用の車や飛行機などが設置されており、それらに興味のある人は、軍人の監督の下、説明を受け、実際に触れたり乗ったりすることも出来ます。
23時半には盛大に花火が打ち上げられ、この夏、ベルギーはまた新しい一歩を踏み出しました。
こちらのレポートも、すっきり新鮮な気分で、ベルギーのちょっとした日常の様子やテキスタイル、ファッション、デザイン、アート等についてお伝えして参ります。どうぞよろしくお願い申し上げます。
前田彩子 パタンナー、企画デザイナー等を経験後、京都工芸繊維大学大学院博士課程修了。ベルギー政府助成の制作研究員を経て、ブリュッセル王立美術アカデミー修士課程修了。執筆、制作活動を継続中。NEKOEYES (www.nekoeyes.com)主宰、ライター。