ランニングシューズやスニーカーに今、思うことは?【SENKEN SNEAKERS BIZ】

2025/02/28 15:00 更新有料会員限定


【関連記事】ランニングシューズは戦国時代に突入 品質は拮抗、参入広がり群雄割拠【SENKEN SNEAKERS BIZ】

 ランニングシューズ市場の盛り上がりをどう見るか。小売り・メーカー幹部ら、業界のキーパーソンに聞いた。

速すぎる新作サイクルはランナーに負担も

箱根駅伝の伝説「山の神」 柏原竜二さん

柏原竜二さん

 近年、ランニングシューズのテクノロジーがものすごいスピードで進化しています。メーカー各社が競い合うようにして新作を発表している状況です。

 しかし、ランナーの目線で見ると、これは良いことだけだとは言えません。技術の進歩に比べて、人間の体はそう簡単に変わることができない。商品の発売のサイクルにランナーの体が追い付けなくなっていると感じています。

 ランナーの走り方は個性があり、各選手のスタイルに合ったシューズを探して愛用しています。短いサイクルで新作が出て、愛用していたシューズが廃盤になってしまうと、また靴に走り方を合わせたり、新しく自分に合う靴を探さなくてはいけません。これは簡単なことではないんです。

 現にSNSでも廃盤を嘆く声や、ソールやシェイプの進化が急すぎるという声をよく見かけます。その点、私がアンバサダーをしている「ホカ」は、前作を踏襲してゆるやかなアップデートを重ねる開発スタイルなので助かっています。

 ランニングシューズ市場の裾野を広げるためには、新技術についてマニアックに語るだけではなく、初心者にわかりやすく伝えることも必要です。メーカーと小売りが協力し、健康志向やダイバーシティーなど社会の潮流について理解を深め、キャッチーな形で発信していくべきだと考えています。

 これからランニングを始めようとする人たちに、「難しそう、キツそう、大変そう」というネガティブなイメージを持たれないようなプロモーションが理想です。まずは「楽しそう」と感じてもらわなくては。そのためにまず、関わっている私たち自身が楽しそうな姿を見せていきたいですね。

各社の差なく、選択肢広がった

ランナー視点貫く、大手小売りの商品部長 小川智也さん

小川智也さん(アルペンスポーツ商品部長)

 ランニング市場が盛り上がるなか、エントリー層が増えていることを実感しています。一方で、インフレの影響などで各メーカーが出すシューズの単価が上がっています。そこで、各ブランドが出すランニングシューズに近いクオリティーで、手に取りやすい価格のものを出せば、市場のすそ野を広げ、活性化の一助になると考え、PBでマラソン用ランニングシューズを開発しました。初のランニングシューズで不安もありましたが、計画以上の売れ行きです。

この記事は有料会員限定記事です。繊研電子版をご契約いただくと続きを読むことができます。

すべての記事が読み放題の「繊研電子版」
単体プランならご契約当月末まで無料!

今すぐ登録する

今すぐ登録する

会員の方はこちらからログイン

関連キーワード有料会員限定



この記事に関連する記事