商業・公共空間の環境演出を手掛けるソラ・ハーツ・コーポレーション(米ペンシルベニア州ハリスバーグ市、新井敦夫社長)は6月、メタバース(インターネット上の仮想空間)内に、一点物のデジタルデータを閲覧・購入できるギャラリーを立ち上げ、新進気鋭の作家やデザイナーの作品を展示・販売する。第1弾は、書家アーティスト・早矢加さんによる動画と静止画のNFT(非代替性トークン)作品を展示し、オークション販売する。今後はファッションデザイナーによる一点物の作品の展示・販売も計画している。
名称は「ソラNFTギャラリー」。同ギャラリーを、NFTの米大手マーケットプレイス「オープンシー」に立ち上げ、全世界に発信する。作品の取引成立時に一定の手数料をソラ側が得る仕組みで、出品する作家側に初期費用はかからない。
オープニング展を飾るのは、海外からも注目されている書家アーティスト・早矢加さんで、感じて書く「感書」をコンセプトにした作品を出品する。揮毫(きごう)の様子を撮影した動画作品や、静止画と肉筆のフィジカル作品をセットにしたものなど、10~20作品を販売する予定。会期は6月1~30日。
ソラNFTギャラリーでは、早矢加さんによるNFT書展の開催を皮切りに、年内に3組程度のアーティスト・デザイナーの展示会を開く。アパレルデザイナーとの取り組みでは、一点物の作品を訴求していく。
新進気鋭のアーティストやデザイナーの作品をNFTギャラリーで展示・販売していくことを発案したのは、両者の顧問を務めるブランドクリエイターの井上喜充氏。「コロナ禍により個展の集客力が減り、資金難に陥るクリエイターが増えるなか、物理的な壁を超え、オリジナル性も守られるNFTが魅力に映った。NFTは欧米で先行しており、早晩、日本でも定着する。ぜひトライしたいと思った」と語る。