10月1日からステルスマーケティング(ステマ)が規制される。ギフティングでインフルエンサーなどにSNSでの紹介を依頼したり、自社社員によるSNS投稿など、ファッション事業者が従来行ってきた手法がステマと判断され、規制対象になる可能性がある。WOMマーケティング協議会副理事長で、消費者庁のステルスマーケティング検討会に委員として参加した山本京輔氏に、知っておきたいステマ規制のポイントを聞いた。
(藤川友樹)
■ステマ規制のポイント
- 「ステマ規制」とは
- ファッション事業者への影響は
- インフルエンサーの情報発信が「事業者の表示」となるのは
- ステマにならないためにはどうすればよいのか
- インフルエンサーがギフティングを受ける場合の注意点
- ECなどにおける口コミ機能の運用は
- 過去の投稿は
Q 「ステマ規制」とは
A 景品表示法の新しい規制です
商品・サービスの取引に関連する「表示」全てが対象となります。表示とは、顧客を誘引する手段としての広告やその他の宣伝全般を意味し、広告主が第三者に指示したり、表現内容を委ねたものは、広告主の「表示」となり、景表法のステマ規制では「事業者の表示」と呼ばれます。
こうした「事業者の表示」かつ、「一般消費者が当該表示であることを判別することが困難である」と認められるものが「不当表示」(ステマ)と判断され、違反行為の差し止めなど行政処分の対象となります。違反した場合には相応の報道も予想され、事業者にとっては重大なイメージダウンにもつながりかねません。
Q ファッション事業者への影響は
A ギフティングや社員のSNS投稿で注意が必要です
インフルエンサーに無償で商品・サービスを提供し、SNSなどで紹介してもらう手法(ギフティング)が、今後は場合によってはステマになります。「SNSへの投稿は任意で、強制はしていない」という場合でも「指示・依頼」をしたと判断され、ステマになる可能性は十分あります。
また、自社の社員がSNSの個人アカウントで商品を紹介する際も、商品やサービスの販促が必要な地位や立場の従業員が、それを目的にSNS投稿を行う場合は、「事業者の表示」と判断されるため、個々の投稿の中で、「自社の商品です」と説明していなければステマになります。
Q インフルエンサーの情報発信が「事業者の表示」となるのは
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