今日のテーマは、東南アジアのマイクロフルフィルメント企業、グラブ(Grab)とゴートゥー(GoTo)についてです。マイクロフルフィルメントは、フルフィルメントの一種です。EC業界においては、ユーザーからの受注、商品梱包(こんぽう)、発送、商品受け渡し、代金回収、カスタマーサポートといった一連のバックヤード業務をフルフィルメントと呼び、顧客体験を向上する上で重視されています。
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例えば、古典的なEC事業者は、地方に大型の集中倉庫(フルフィルメントセンター)を持ち、数日かけて購入者の住所まで配送を行います。一方、マイクロフルフィルメントは都市部に分散する店舗や、小型倉庫をフルフィルメントセンターとします。これにより、ユーザーは同日(30分~数時間とサービスによって異なる)に商品を受け取ることができます。ユーザーの利用するデバイスがパソコンからスマートフォンに移行したことで位置情報の利用が進み、このトレンドは一層強くなりました。
スマホの普及を背景に
グラブは11年にマレーシアで創業しましたが、本社はシンガポールに移しており、同国から東南アジア全域にサービス提供している会社です。ゴートゥーを提供するゴジェックは、10年からインドネシアを拠点としてサービス提供しています。