ニューヨークのブロンクスにあるニューヨーク植物園で、フリーダ・カーロ展が開催されている。
ニューヨーク植物園内の図書館。メトロノースのハーレムラインで「ボタニカルガーデン」駅近くの植物園入り口左手にある
図書館内に展示されている絵の一部(ニューヨーク植物園提供)
図書館内に展示されている絵の一部(ニューヨーク植物園提供)
最初に開催を知ったときは何故植物園で?と思ったが、フリーダ・カーロのガーデンに対するこだわり、そして自然が彼女のアートに与えた影響に焦点を当てた展覧会と聞いてなるほどと思った。
展覧会会場は2ヶ所ある。図書館では、絵画と共にフリーダ・カーロの生い立ちやライフスタイルにまつわるものが展示されている。
自然への理解は、写真家だったドイツ人の父親の影響を受けたという。とはいえ、フリーダ・カーロは元々、薬学を勉強するつもりだった。
ところが18歳のとき、バスの事故で重傷を負い、薬学をあきらめて、絵の道に進んだ。
もしもその事故がなかったら、この世界的に著名な画家は誕生しなかったことになる。やはり起きることはすべて意味があるのだと、改めて感じ入った。
こちらは、フリーダ・カーロの自画像「The Two Fridas」(1939年)に出てくる服を、Humberto Spindolaが中性紙のティシュペーパーに耐光性のある顔料をのせて再現したインスタレーション。
17~18世紀のメキシコのフォークアートが、ティッシュペーパーで再現されている
フリーダ・カーロゆかりの場所がメキシコシティのどこにあるのか、どのような由来があるのかなどを示すコーナーもある。
メキシコシティの中でカーロやリベラの作品が見られる美術館その他の場所が一目でわかる展示
美しい温室の外観。周辺のガーデンにも美しい花がたくさん咲いている
もう1つの会場は、温室の中。フリーダ・カーロと夫のディエゴが住んでいた青い家を色で再現し、さまざまなメキシコの植物が展示されている。
メキシコならではの植物が並ぶ中、カーロやリベラに特に関連した植物に関しては、説明のパネルが添えられている
フリーダ・カーロの夫のディエゴ・リベラのお気に入りの花だったというカラーリリー。ディエゴはフリーダより20歳年上で、結婚当時、すでにメキシコで巨匠芸術家だった。
カラー・リリーは、ディエゴ・リベラの作品にもよく登場した花。メキシコのガーデンでも一般的に見られる花という
フリーダ・カーロのアトリエを再現するように、さまざまな画材が置かれたテーブルが温室の一角にある。さまざまな絵の具やパレット、クレヨンは、どれも年季が入っている風。
埃をかぶったようにしてリアリティーを出した、フリーダ・カーロのデスクの再現
絵の具の色は、温かみのあるオレンジとブルーが多い
カーロとリベラの家の周囲に柵のように置かれていたサボテンが、植物園の外側に再現されている。
「青い家」の柵代わりになっていたサボテンを、植物園の外壁に沿って再現
ブーゲンビリアはカーロがよく髪に飾っていた花。彼女のガーデンにも植えられていて、今も残っているという。
カーロは、明るい色のブーゲンビリアを好んで髪に飾っていたという
特定の夜6時半から、フリーダ・アル・フレスコと名付けられたイベントが開催されている。
この晩は、メキシコの音楽を生演奏するバンドが登場。チケットには、マルガリータなどのドリンク1杯が含まれている。
屋外のカフェでは、トルティーヤチップスを食べている人たちの姿が目立った。このそばのギフトショップでは、フリーダ・カーロの顔がプリントされたマグカップやTシャツの他、マルガリータ用のグラス、メキシコ料理本などが売られている。会期は11月1日まで。
フリーダ・アル・フレスコについては、別チケットが必要。開催する夜は限られているので、植物園のサイトでご確認ください
フリーダ・アル・フレスコについては、別チケットが必要。開催する夜は限られているので、植物園のサイトでご確認ください
89年秋以来、繊研新聞ニューヨーク通信員としてファッション、ファッシ
ョンビジネス、小売ビジネスについて執筆してきました。2013 年春に始めたダイエットで
20代の頃の体重に落とし、美容食の研究も開始。でも知的好奇心が邪魔をして(!?)つい夜
更かししてしまい、美肌効果のほどはビミョウ。そんな私の食指が動いたネタを、ランダム
に紹介していきます。また、美容食の研究も始めました(ブログはこちらからどうぞ)