杉野学園は創立90周年記念式典と祝賀会を2日、校内の杉野ホールで開いた。ファッション界や教育界から500人以上が集まり、来賓を代表してデザイナーの桂由美さんと、卒業生の島田順子さんが祝辞を述べた。桂さんは「創立者の杉野芳子先生は私たちが若い頃、女神のような存在だった。欧州のオートクチュールデザイナーと親交があり、ファッションの真髄のエレガンスを徹底して教えてくれた」などと語った。
式典では、中村賢二郎理事長が過去10年の活動を振り返った後、「服飾学校の学生数が急激に減少する逆風の中でも、服飾を志す若い人の期待に応え、潜在的な人材を地道に掘り起こし、日本の未来に人材をつなぐことが、1世紀近く服飾教育一筋に歩んできた本学園の使命」と決意を述べた。式典の最後には若手クリエーターとして活躍する卒業生がショーを行った。岩田翔(杉野服飾大学08年卒)は滝澤裕史と手掛ける「ティート」を、バジョウ(ドレスメーカー学院15年卒)は「ナインティナインパーセントイズ」が先月の東京コレクションで発表した作品の一部を披露した。