24年春夏向けのテキスタイル商談が始まった。2月上旬に開かれた国際素材見本市のミラノウニカ、プルミエール・ヴィジョン・パリで目に付いたのは、立体的な表面感や透明感、上品な光沢、そして要素の組み合わせだ。よりミニマルで洗練された表現が目立った。
(三冨裕騎)
立体的な表面感を生み出すのは、カットジャカードやカットドビーによる糸の軽やかな動き。薄く軽いサマーツイードも用いられ、意匠糸を使い華やかに見せている。素朴な雰囲気を持つラフィアもよりエレガントな仕上がりだ。
遊び心やテキスタイルの面白さを表現できる素材として、春夏のツイードにも注目が集まっている。モイスマーは綿やナイロン、レーヨンなど多彩な意匠糸を複合したツイードを打ち出した。カンジョリは偏平糸を使ったツイード調素材が人気。異なる太さの糸でラフな凹凸感がありつつも、白一色でまとめクリーンな印象だ。
リゾート感のあるラフィア使いも多く見られた。セテリエ・アルジェンティは、大胆にラフィアをあしらったジャカードを披露した。マリア・ケントはラフィアをフリンジのように使い、スカートやワンピースなどに仕立てた際にシルエットに変化を付けられる。