若手を中心とした東京ブランドの21~22年秋冬向けは、ボリュームシルエットの緩やかなバランスが目を引いた。身体に寄り添いながら着こなしの変化を楽しめる形や体形を問わないサイズ感に特徴がある。そのパターンや意匠性の高いテキスタイルには、自分らしさがしっかりと貫かれている。
(須田渉美)
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「ルルムウ」(東佳苗)は、個性豊かな現代の魔女を、多色のファンシーニットや刺繍をちりばめたアウターのレイヤードで見せた。その魅力は、手のぬくもりを残した製品の豊かな表情だ。ハンドメイドのニットウェアから19年春夏に工場生産で再スタートし、国内の生産者との物作りを積み重ねるなかで、ルルムウらしい多彩な装飾に磨きがかかった。チェック柄のジャカードニットのスカートは裾が破れたようなデザイン。2段のフリルを挟んだ多色のボーダーニットは、ボーダー柄がゆがんで糸がほころんだように飛び出ている。魔女が着るような古びたローブを再現しながら、きちんとした製品の品質も両立し、年齢層を問わずに楽しめるアイテムを揃えている。