東京ブランドの21年春夏は、上質な素材やフォルムの美しさを強調したシンプルスタイルが広がっている。昨シーズンから続くボリューム袖は柔らかみを帯びて、モダンな印象に変わってきた。
(須田渉美)
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「コート」(福屋千春)はタックやギャザーのテクニックを生かし、ミニマムでありながらシルエット変化に富んだシャツやドレスを揃えた。薄手のコットンブラウスは細かいプリーツ状のハイネック襟、ボリューム袖に太幅のカフスが付く。クラシックなムードも残しつつ、凛(りん)とした女性らしさが出ている。台襟が付いたメンズ仕立てのシャツは、肩の縫い目から袖下へとタックをふんだんに入れ、潔いエレガンスを感じさせる。ドローストリング仕様のパンツを合わせ、リラックス感を添えて普段使いにちょうどいい。