「アンタイトル」 ピュアウールで「共感生む」限定店

2017/11/20 04:26 更新


 ワールドグループのフィールズインターナショナルは「アンタイトル」で、10月18日から全国11百貨店で順次「ピュアウールコレクション」の期間限定店を出店している。上質な原料を使ったニットアイテムと、イタリアの素材を使ったアイテムというモノを通じて、原料や作り手の顔が見える物作りが、信頼と共感を生んでいる。

(壁田知佳子)

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 8~14日には松屋銀座本店1階のイベントスペースで期間限定店を開き、ピュアウールコレクションとして、豪ハミルトン地方のラムウールを使ったニットアイテムと、イタリアの物作り企業と協業した「アンタイトル・ウィズ・イタリアンパートナーズ」のスカートやパンツ、ストールなどを揃えた。さらに昨年のピュアシリーズで打ち出したカシミヤの17年秋冬の新作も販売した。

 ラムウールを使ったアイテムはキャンディースリーブやケーブル編み、ボトルネックなどのニットトップやニットワンピース、スヌードなど。きれいな色バリエーションで見せた。松屋銀座本店ではオフショルダーにもなるニットトップ(2万5000円)が良く売れ、色では白やミルクブラウン、グレーなどのナチュラル系の定番色が動いた。イタリアンパートナーズの商品では、伊パオレッティーのテキスタイルを使ったカーゴパンツ(2万5000円)やスカート(2万2000円)を複数枚を購入する客も見られた。高額なカシミヤのニットや羽織り物も売れた。

 ピュアシリーズの原料調達を自ら手掛ける福井淳社長は、「アンタイトルの本質とは何か、客は何を支持してくれるのか」を改めて見直し、ピュアシリーズの開発に至ったと話す。「素材からの付加価値はこれまでもやってきたが、原料までさかのぼり、厳選した原料を使うことが、アンタイトルらしい付加価値につながる。数字を作るためではない」と強調する。原料や工場にさかのぼることはトレーサビリティー(履歴管理)を明らかにすることにもなる。「服も、食に求められるようなトレーサビリティーが必要になってくる。説明できないものを売るのは、ブランドとしての体(てい)をなしていない」との姿勢をピュアシリーズを通じて伝えた結果、活動に対する共感とブランドへの信頼につながっているという。

 元売り場と別の場所に期間限定店を開くことは新規客の獲得にもつながっている。新規客が約7割を占める限定店もあり、これまでアプローチしきれていなかった若い客との接点を生み出している。

 期間限定店は、15日からは岩田屋本店本館、21日からそごう横浜店、22日からあべのハルカス近鉄で開設。

 ピュアシリーズは16年秋冬にカシミヤ、17年夏のコットンと続け、17年秋冬のウールが3回目。来春以降も原料にフォーカスしたシリーズとして継続していく。

松屋銀座本店1階で開いた期間限定店


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