ユニーグループ・ホールディングスは15日、ファミリーマートと16年9月に経営統合することで基本合意した。まずは国内最大級の規模になるコンビニエンス事業の成長を見込むが、ユニーGHDのGMS(総合小売業)事業も新たな枠組みの中で収益性回復を目指す。コンビニ事業主導の統合だが、GMSの改革も急ぐ。
ファミリーマートを存続会社とする合併を行い、コンビニ事業会社とGMS事業会社を設ける。コンビニのチェーン店売り上げを含めて現在3兆8000万円の国内の事業規模を5年以内に5兆円とし、600億円の連結営業利益を1000億円にすることを目標にする。
成長の中心はコンビニに求めることになるが、前期にユニーで営業利益100億円余りにとどまったGMSも「収益のもう一つに柱とする」。
GMS事業では、「ファミマの商流の活用」「コンビニ事業とのノウハウの有機的な組み合わせ」、さらには「店舗フォーマットの開発」などが統合合意に際して示されており、まずは食料品での効果が期待される。ただ、衣食住が揃うGMSは業界全体が厳しいだけに全体を改善するのは時間がかかる。統合後も引き継がれる課題になる。
衣住についてはライフスタイル型として部門を越えた売り場づくりを進める構えで、テナント導入で規模を圧縮することも視野に入れる。不採算店閉鎖では計画数は持たないが、これまでの極めて慎重な姿勢から「閉めるべきところは閉める」と一定の変化がある。
統合会社の本社、コンビニ事業会社は東京に置かれるが、GMS事業会社は現在の愛知県稲沢市に残るという。広がった事業基盤の活用は見込みつつ、GMS事業としては統合以降をにらんだ計画を策定中だ。