《視点》立場の逆転

2020/10/20 06:23 更新


 DtoC(メーカー直販)という言葉が流行する前、ちょうどインスタグラムが日本で浸透し始めた14年ごろからだろうか、新興ブランドの姿勢が変わってきたなと思うことが増えた。それまでは「大手セレクトショップや百貨店で販売」「有力商業施設へ出店」を目標と語る人が多かったが、今やそれを掲げる方が珍しいとさえ感じる。

 あるレディスブランドは、アイコンとなるアイテムが大ヒット。新規でバイイングのオファーが相次いだが、地方の個店専門店1店だけに卸すことを決めた。大手セレクトショップはそのアイコンのみを欲しがるバイヤーが多く、「ブランドの世界観を伝えられるとは思えない」と断った。もともと自社ECと直営店に顧客がしっかり付いているため、むやみに卸先を増やす必要もない。二人三脚で歩んでいける店だけを選んだというわけだ。

 〝選ぶ側〟だった大手セレクトショップや百貨店、商業施設が、ブランド側が自ら発信、販売できるようになった今、〝選ばれる側〟へと立場が逆転している。新型コロナウイルス感染拡大でその構図がさらに鮮明になっている。選ばれるためにはどう変わるべきか、各企業の姿勢が問われている。

(金)


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