《視点》ネオンサイン

2021/01/05 06:23 更新


 以前、あるテレビ番組で関東圏の人にはなじみがある静岡・伊東温泉の老舗旅館ハトヤホテルが特集されていた。昭和レトロな建築や内装が「エモい」と若者に評判らしく、客室からネオン管でできた「ハトヤ」の看板が見えるとの理由から、海側ではない部屋が人気とのことだった。

 最近では記者の住む大阪でも、台湾料理や韓国料理の店で看板などにネオンサインを使っているところをよく見かけるようになってきた。ネオンサインと言えば、雑多な昭和の繁華街の象徴でもあるが、近未来SFものなどサイバーパンク的な世界観でもしばし使われる、レトロ感と近未来感が同居したアイテム。令和の時代に改めて人気が出てきたのも何となくうなずける。番組内ではハトヤのほかにも「オサムグッズ」などが取り上げられ「あーそういえばあったな」と、懐かしい気持ちになった。

 若い世代にとっては新鮮に映るのは当然だろうが、先が見えない不透明な時代だからこそ、過去に郷愁を感じるのかもしれない。過去のインテリアや流行など、現代に生かせるものはまだまだあるはずだ。

(騎)



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